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2023.08.28症例紹介

リクガメの尿路結石

リクガメの尿路結石

今回は膀胱内に結石ができたヒガシヘルマンリクガメ(約3歳、雄)の紹介です。

主訴

食欲や排泄に変わりないものの、暑くなってきてからいつもより元気がない気がすると来院されました。また、1~2週間ほど前から排泄孔より脱腸をしているのでは、とのお話でした。

検査

 視診・触診
顔面や全身の皮膚および甲羅に異常がないかチェックしましたが、特に異常は認められませんでした。
 レントゲン検査

 

 

レントゲン検査では膀胱内に停滞している結石(赤点線)が認められました。

余談ですが、撮影中に排泄孔から陰茎(ペニス)が出てきたためここで雄であると断定できました。

飼い主様が「脱腸かも?」とおっしゃっていたのは、排泄時のいきみによって出てきていた陰茎のことかと考えられます。

治療

尿路結石では大きく内科治療と外科治療に分けられますが、今回はまだ目立った症状が出ていないことから内科治療を選択しました。

1週間おきに計2回の補液をしたところ、最初の補液から約10日後に無事結石が排泄できたと連絡がありました。

その後は食欲が落ちることもなく、元気に過ごしてくれています。

リクガメの尿路結石

ヒトを含む哺乳類は窒素の老廃物を「尿」という形で排泄しますが、リクガメは「尿酸」と「尿素」によって排泄します。

この尿酸は白く粘り気のある半固形状ですが、これが結晶化を経て、硬く結石化したものが『尿路結石』です。

この結石が膀胱や総排泄腔(クロアカ)に停滞し、結果として便秘、食欲不振といった症状が現れます。

尿路結石の原因は脱水や高たんぱく食などさまざまですが、今回のカメさんははっきりとした原因が分かっていませんので定期的な検査を行うと良いでしょう。

今回は補液のみの治療となりましたが、尿路結石はその大きさや症状の程度によって治療法が変わります。

経過が長いと結石を除去できても食欲がなかなか回復しない場合もありますので、特に「便が最近出てないかも…」という場合には早めの受診をおすすめします。

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