フトアゴヒゲトカゲのコクシジウム症

病態

コクシジウムは主に消化管などの細胞内に寄生する原虫であり、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類などの多くの動物種に寄生します。

愛玩動物ではフトアゴヒゲトカゲ以外にも犬や猫、ウサギ、フェレットなどから検出される寄生虫です。

オーシストという形態のコクシジウムが含まれた糞便を経口摂取することにより感染します。

感染源は分からないことが多いですが、CB個体にも検出されることが多いことから、親トカゲから感染することが多いのかもしれません。

症状

フトアゴヒゲトカゲで見られるコクシジウムは病原性が低く、軽度感染の場合は無症状であることが多いです。

これはフトアゴヒゲトカゲの持つ免疫によって、寄生虫がいてもバランスがとれているため。

しかし、ストレスや他の病気などによって免疫力が低下するとコクシジウムが大量寄生し、下痢や軟便といった消化器症状を起こす場合があります。

診断

（コクシジウムのオーシスト）

糞便を顕微鏡で観察し、コクシジウムのオーシストを検出することで診断します。

このオーシストは一般の消毒薬に抵抗力があり、消毒は「熱消毒」が基本となります。

治療

コクシジウムの治療にはサルファ剤やトルトラズリルという駆虫薬を使用します。

1回の投薬で駆虫が完了することもありますが、駆虫後に再感染するケースもあるため、投薬後に期間を空けて再び糞便検査をしておくと安心です。

また、治療と並行してケージ内の清掃を徹底することも重要です。

予防法

フトアゴヒゲトカゲのコクシジウムは感染していても無症状であることが多いため、年齢や体調にかかわらず、新しくお迎えした個体は糞便検査をしておくことをおすすめします。

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