Column
2024.03.24コラム

猫免疫不全ウイルス(FIV)感染症について

こんにちは、宇都宮白沢動物病院です。

今回は、猫免疫不全ウイルス(FIV)感染症についてお話しします。

 

猫免疫不全ウイルス(FIV)とは?

FIVは猫に感染して免疫不全を引き起こすウイルスです。ヒトのエイズの原因ウイルスである「ヒト免疫不全ウイルス(HIV)」と同じレトロウイルスに属しますが、FIVは猫同士で感染するものでヒトには感染しません。FIV感染症はヒトのエイズと似た病気であることから一般的に「猫エイズ」と呼ばれています。

 

症状

FIVに感染、発症した猫は免疫抑制や造血異常、腫瘍性疾患(特にリンパ腫)などを引き起こし、最終的には後天性免疫不全症候群(エイズ)を引き起こし死に至ります。

しかしながら感染猫の免疫によってウイルスの増殖が抑えられれば、無症状のまま一生を終える猫も多いです。

 

治療

残念ながら持続感染してしまうと猫の体からウイルスを排除することはできないため、FIVを根本的に治す治療法というものはありません。そのため、症状に応じて治療する対症療法が実施されます。

〇鼻水やくしゃみなどの風邪様症状

インターフェロン(抗ウイルス療法)や抗菌剤の投与などを行い症状の緩和を図ります。

〇歯肉口内炎

FIV感染猫では重篤化しやすく、全身麻酔が可能であれば全臼歯抜歯などの歯科処置によって症状が安定することがあります。全身麻酔が難しい場合、あるいは避けたい場合は抗菌薬やステロイド剤などを用いた内科療法でコントロールしていくこともあります。

〇貧血

造血因子であるエリスロポエチン製剤を定期的に投与するか、重度の場合は輸血が施されます。

 

診断

院内キットの利用した血液検査、または検査機関へ血清を送付することによりFIV感染の有無を検査します。しかしFIVワクチンの接種後は感染していなくても抗体が検出されるため、検査前にワクチン接種をしていないか確認が必要です。

また、生後6か月以内の子猫では母猫からの移行抗体を検出している可能性もあるため、その場合は6ヶ月齢以降に再検査を行う必要があります。

 

予防法

FIVの感染は主に感染猫からの咬傷により唾液から感染することが多く、まれではありますが感染猫との交尾や母猫から子猫へ授乳により感染する場合もあります。猫を完全室内飼育にし、野良猫との接触を避けることで感染を防ぐことが出来ます。

また、新しく猫を同居させる際にはあらかじめFIVに感染していないか検査をすると安心です。

既に感染している猫でも、いつか必ず発症するとは限りません。免疫力低下につながるストレスを避け、ワクチンなどで他の感染症の予防を欠かさないことで発症せず一生を過ごすこともできます。

 

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